肝試し

Courage Test

夜の帳が静かに降りるころ、
森はまるで別の顔を見せはじめる。

昼間は鳥のさえずりと木漏れ日に包まれていた場所が、
今は風の音すら心細くなるような、
深い静寂に支配されていた。

そんな中――小さな松明の光を頼りに、
数人ずつ、森の奥へと足を踏み入れていく。

「肝試し」と銘打たれたこの一夜限りの試練は、
ただの怖い遊びではない。
それぞれの心に棲む“恐れ”と向き合い、
乗り越えるための、
静かで不思議な通過儀礼なのだ。

誰と組むか、何を見て、何を信じるか。
月の光すらも途切れる木々の下で、
君は何を感じるだろう。

🌲《森に還れ──呪われた人形の儀式》

  • 🪆【ストーリー】
    昔々、とある村で奇病が広がったとき、
    村人たちは一人の少女を
    「生贄」として森に捧げた。
    少女は、お気に入りの人形を抱いたまま、
    森奥の祠に封じられ、
    それきり、誰にも語られなかった。

    やがて村は病から解放され、時は過ぎ──
    祠を覆っていた封印は、
    風雨に削られ、苔に埋もれ、
    誰の記憶からも零れ落ちた。

    そして今、あなたたちは森に足を踏み入れる。
    目覚めた少女の“念”は、
    儀式を再び、
    終わらぬままのまま繰り返そうとしている。

    救いはただひとつ。
    森に散らばった「人形の五つのパーツ」を集め、
    元の姿に戻し、再び祠へと還すこと。

    深い森の奥、朽ちた鳥居、濡れた倒木、冷たい沢、
    ひび割れた巨石──
    この夜の森をさまよう者に、
    少女は何を願い、何を託すのだろうか。

    静かに始まる、封印の儀式。
    無事に終えられるかどうかは──
    あなたたちの「手」にかかっている。
  • 🔥【参加時の持ち物】
    森に入る前
    あなたたちには二つの大切なものが手渡される。

    一つは──
    🌕 《魔法松明(まほうたいまつ)》
    この松明は、ただの明かりではない。
    不思議な青い炎が、周囲を照らしながらも
    決して森を燃やすことはない。
    この炎には、迷いや恐れを一時的に退ける力が
    宿っているという。
    闇が深まるにつれ、その灯火こそが、
    あなたたちの唯一の道しるべとなるだろう。

    そしてもう一つは──
    ⛩️ 《封印の御札(おふだ)》
    人形のパーツをすべて集めた後、
    最後の儀式の場でこの御札を
    貼らなければならない。
    貼るべき場所を間違えれば、封印は成立せず、
    再び”彼女”が森を彷徨うことになる
    とも言われている…。

    どちらも、なくしてはならないものだ。
    松明が消え、御札を失ったとき、
    あなたたちはこの森の”客”ではなく、
    ”住人”となるかもしれない。
  • 🪵【ルート】
    この森に足を踏み入れた者は、
    一本道などと安易に思ってはいけない。
    道は一本のようでいて、
    いくつもの分かれ道が現れる。
    右か、左か。
    進むたびに選択を迫られ、
    その先に何が待っているかは、誰にもわからない。

    分岐のすべてが正しい道とは限らない。
    引き返せると思ったそのときには、
    もう後ろの道が…消えているかもしれない。
    仲間とはぐれぬよう、
    慎重に、静かに、歩を進めることだ。

    5つの人形のパーツは、
    この森のどこかに散らばっている。
    選んだ道が正しければ、それに出会えるだろう。

    だが、間違えれば、


    彼女に……出会ってしまうかもしれない。
  • ✅ チェックポイント①
    切り株のエリア(頭部)

    ・大きな切り株が複数並ぶエリア
    ・苔に覆われた切り株の1つの空洞に
    「頭部」が隠されている
    ・頭には布で「返せ」と書かれた紙が
    巻きつけてある
  • ✅ チェックポイント②
    倒木と枯葉の斜面(左腕)


    ・大きな倒木があり、根元が土に埋もれている
    ・「左腕」は倒木の下に半分埋められており、
    掘り出すようにして取る
    ・根の形が人間の手のように見える箇所も
  • ✅ チェックポイント③
    沢のエリア(右腕)

    ・森の中を流れる小さな沢を渡る必要あり
    ・渡った先の濡れた落ち葉の中に「右腕」
    ・白布に包まれ、「決して開くな」という文字
  • ✅ チェックポイント④
    獣道の大木(足部)


    ・獣道の途中にある大木の根元に
    「足部」が隠されている
    ・根の形が足首を絡め取るように配置されている
    ・取り出すと根が動いたような感覚を与える
  • ✅ チェックポイント⑤
    巨石・洞窟前(胴体)

    ・森の最奥にある巨大な岩と小さな洞窟の入り口
    ・裂け目に布で包まれた「胴体」が入っており、
    取り出すと鈴が鳴る
    ・岩の表面には手形の跡や意味不明な文字
  • 🔚【最終地点:封印の儀式】
    森の開けた場所が「儀式の場」

    ・集めた5つのパーツを元の形に並べる
    ・胸部に「封印の御札」を貼る

    『結果』
    ⭕️成功:風と音が止む演出
    ❌失敗:鈴の音が鳴り響き
    少女が森の奥に立って見ている

森が、何も語らなくなった。
風は止み、葉は眠り、
闇だけが、あなたたちの背を見送っている。

手の中の灯火は、まだ微かに息をしている。
それが導いた道は、正しかったのか。
それとも──

少女の願いを、
またひとつ、迷わせただけだったのか。

土に還ったはずの声が、
どこか遠くで、ほほえむように揺れていた。

封じたはずの想いが、
森の奥で、そっと、まばたきをした気がした。

さあ──
この物語を終わらせるのは、あなた自身。

足元に気をつけて、
決して、振り返らずに、お帰りなさい。