ソロル置き場

Solo Story

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白雪さん (9jfjtfkl)2025/6/21 23:24 (No.38551)削除
【クイズのお時間】オラクル・ガルシア
「それでは問題です。」
正しき良き曲とはなんでしょう?

『それは、有名人やランキングの常連が作った曲じゃないかな。』
「誰もが知っている有名曲こそ正しき良き曲と言うんだね。」
『それは、タイアップや人気コンテンツの主題歌だと思うわ。』
「カラオケで歌われる曲こそ正しき良き曲と言うんだね。」
『それは、歌詞が良くて専門家を唸らせるやつじゃねぇの。』
「物語性があって、小説や漫画家される曲こそ正しき良き曲と言うんだね。」
『そんなの、知名度も何も関係ない、自分の好きになったものだよ。』
「自分の人生を変えた曲こそ正しき良き曲と言うんだね。」

ねぇ、答えて。あなただけの意見。
正直に聞かせて?
「その音を奏でて、狂ってしまえ。」

ねぇ、音楽ごときで人は救えるの?
馬鹿馬鹿しい、そんなのは嘘だよ。勝手に信じて勝手に裏切られて喚け。

「音楽で誰かを救うんだとか、そんな幻想。」
そんなものを振りかざしてさ。
世迷言撒き散らして、光悦になって。
傍若無人に決めてしまってさ。
何をしたいのかもわからず、何を生み出したいのかも見失って。
ただただ信者を引き連れるだけの虚無。
狂った様を見せつけて。
「回折ごときの限界を突破して、さ?」

「ねぇ、どうして……嘘に、嘘を重ねるなんて無駄なことするの?」
わからない。あたしに才能があるのかどうかすら。

知ってる、天才は軽々と飛び越えてくること。
届かなくて、手を伸ばす。そして、痛感する。
『アノコ』みたいにはなれない。

やめて、やめて、止めて、止めて。
時間の無駄だ、全て諦めてしまおう。
さぁ、勝手に救われろ。追憶の、彼方で。

助けて?知らない、勝手にその渦の中で困っていろ。
あんたを助ける才能があるかもあたしにはわからないのに。
助けて?安心しなよ、そこは嘆きの檻だから。
その届かない手を、あの子に伸ばしてみなよ。

「あんさ、壊れた心ってどこ行くの?」
くだらないことを聞いたかも。
くだらない愛を永久に歌うかも。

「音楽で人は救われる?そんなわけないじゃん。考えが古くて結構、古い存在だからね。」
勝手に信じてろよ。

「それでは問題です。自由解答欄です。あなたにとっての……『正しき良き曲とはなんですか』。」
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白雪さん (9jfjtfkl)2025/6/17 03:59 (No.38165)削除
【恋愛フィロソフィア】/ツェツィーリア=チッラグ
「恋愛心理学で当てはめて考えてみようよ。」
そんなことをしても、ねぇ。分からないんだ。
でも、それは。何億年前からの、常識だって。DNAが知ってる。

「愛してるよ」だなんて、言語を使って、知覚して、刺激を受けて、会話してる。
知らない感情に振り回されるなんて、なんとも似た者同士で。互いを傷つけあって、理解を深めてる。

妄想なんてものに揺られて、約束されていた『キセキ』。
「言葉以外のもので、信じてあげるよ。」
そんな台詞で、スキを突いた。

確信犯の距離で、私を狙っているのは誰?
さぁ、その首に噛み付いて、牙を出して。
「何処にでもいる、被害者の顔をして!」
小悪魔のような、その微笑み。
ボロボロになった、そのタキシード。
ああ、その記憶から塗り替えてしまって?
熱を持った、その身体中……私の、魂の上で。


「恋の方程式、なんて言葉はあるけど。」
そんなもので解決してしまう、恋の謎なんて初めからないも同然。
そんなものに、初めから興味なんてない。
空白のように見える、この隙間が。
私たちを、常に悩ませてくる。

膨大な理論書。何にも変え難い倫理観。そんなもの、手元には無いんで。
最先端のこの哲学で。……大した意味なんて、無いんですけれど。

覚醒した、その笑みで破壊するように。
それで、パッと…………。
「裏表を変えて。……OK?」

「もし、もし。その覚悟があるのならば。」
完璧に、奪い取って見せて。
さぁ、いつだって、右に倣え。
左には、何がある?
私達は、狼で。……でも、迷える子羊のようで。
それを乗り越えた、その先で。私達は、孤独から抜け出していける。
「まるで、白熱の展開。」
私の、魂の上の話。


つかず、離れず。そのままでいても。
結局、近づいて、隣ですごしてしまう。

「……確信犯の距離で、狙っているのは…どっち?」
噛み付いて、牙を出すのは……どっち?
どうせ、どちらも……ありふれた、被害者のような顔をするというのに。
小悪魔のような微笑みも、ボロボロになったその服も。
記憶から、塗り替えてしまえばいいんだよ。
灼熱のようになった身体中こそ、私の…………

「覚悟があるんでしょう。なら、パーフェクトに奪い取ってみせて。」
いつだって、右に倣って。左にあるものには目もくれず。
私達は、相手を狙う狼で。それでも、心細く迷う子羊でもあって。
でも、それを乗り越えれば。
「もう、孤独じゃなくなるから。」
展開は、白熱する。私達の、魂の上で。

「___私はまた、貴方に恋をする。」
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さん (9jj5fmgm)2025/6/9 18:00 (No.37622)削除
花言葉と約束を(アザレア・ベイン)

幼い頃から2人とも優秀だったらしい。これで片方が劣っていたのなら両親からの愛情に差が生まれたのだろうが、幸いな事にそれはなかった。アイビーとはまるで双子のように育ってきた。それは小学生の頃だろうか。親には内緒のいわゆる“秘密基地“を作って毎日のように通っていたのを覚えている。

その時に兄がふと、こう呟いた。『僕達に、幸せは訪れると思う?』その問いには「うーん…………生きていれば必ず?」と返した。兄は熟考した後で『俺の夢はさ、アザレアだけに言うんだけど、幸せな家族を作る事なんだ。それも死ぬまでずっと。そうしたら俺の花言葉通りになるとは思わないか?“永遠の愛““不滅“の通りに、さ。アザレアだってそうだろ。“恋の喜び“の花言葉を冠しているのだから大人になる前に恋はしてくれよ?そうやってどっちかが結婚したら。あーでも。俺達2人とも涙もろいもんな、どっちが結婚式の時でも泣くだろ。その時は絶対に見に来てくれ。あの両親は良い人だけど、許嫁を用意しようとしているみたいだから高校を卒業したら逃げる、アザレアも隙を見て逃げてくれ。その後なら……同じ学園で教師をして、好きな人をのんびりと探して、良い人だなと思ったらアザレアには紹介する。理想高いの分かっているだろ?隠し通してくれよ?その頃の俺は人気の教師だろうから。』その時はそこまで人生設計をしている兄に驚いた事は強く覚えている。自分が死ぬなんて事は微塵も考えていない、強い人だと。

その約束からどれ位時が経ったのだろう。結婚式の時は家族席として招待されて泣いた事も、“ようやく兄さんは報われるんだ“と思った事も覚えている。その後で。悪夢の報せが来たのも。『アイビー・ベイン先生が亡くなりました。』膝から崩れ落ちて呆然となって。真っ先に考えたのは、奥さんを立ち直らせないと、それがきっと兄さんからの頼み事だ。────そうして今に至る。言葉にならない感情だけが心の底に溜まっていく。『貴女を幸せにしたいのです』それが言えればどれ程良いだろう?

─────私のガーデン、果てるまで。
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白雪さん (9jfjtfkl)2025/6/9 16:09 (No.37613)削除
【彗星ハネムーン】シャーロット・グレース・ベイン
キラキラと輝く、流星群の降る夜に。
私は、貴方を思っていました。
『あなたを愛しています』と。
星のまにまに、逃避行のように駆け抜ける言葉。
まぁ、そんな物語になっても…
『悪くないかな。ね、アイビー。』

ネオンが輝く街並みから覗く。
月面までは、もうすぐで。
『あの星の名前はなんだったっけ?』
月は、満ちていた。

まるで彗星のように、果てまで行こうよ。
あなたと私、二人で恋をしているの。
『いっそ、愛している2人きりでどこか遠くへ行ってしまいましょうか?』

曖昧な航空機。それでも、言葉はいらないの。
やっと、巡り会えたあなたとだから。
星は巡る。そして、繰り返す。
『行き先は、宇宙の終着点なんてどうだい?』


小天体が数回転するその間。
運命星もひとっ飛びの愛の瞬きをもう一度。
環状線を繋ぐ、そんなあなたは終点ライダー。
『ロマンスの飛行を、今。』

信号の赤色は、動かなくて。
月の世界に行っても、愛しているよ。
『海のない街の、海を旅の終わりに据えて。』
「……そうしたら、お別れだから。」

彗星のようなこの旅路。あなたと愛し合っていたの。
もちろん、二人で恋もしていたよ。
ねぇ、聞いてよモナムール。
「片道切符でも、いいからさ……。」

「この夜が明けたら、次は何処に行こうか。」
永久に出逢うことの出来ない貴方と。
星は巡る。そして、繰り返す。
「目指す先は、夢の出発点。」
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よもぎさん (9kabksx4)2025/6/9 12:20 (No.37593)削除
ATTENTION!

1 タナトスくんが可哀想なお話です。
 タナトスくん大好きだよ!っていう人は覚悟を持ってお進みください


2 アプロディダがクズです。
 夢見る乙女はアプロディダの印象が(多分)グッと下がりますので覚悟を持ってお進みください。


3 短いよ!






ここは2人の部屋。

対照的な2人が唯一一緒にいるトコロ





『飲まないの?タナトス?』









そう言っては自分と対照的な兄は此方にやって来て

生きているか死んでいるか分からない〝  〟を押し付けた。


鼻に付くツンとした匂いがどうも気持ち悪くて


錆びたような匂いがどうも気持ち悪くて


どうも飲めるようではなかった。


「…い、いらない、お腹、空いてないから、」

どうも分かりやすい嘘をついてしまったと言った後に後悔した。

兄は少し目を大きく開け、静止した後にこう言った。




『うっそだぁ、だって、タナトスお腹空いたって今さっき言ってたもん、』




言った数秒後にバレた。にこりと笑った兄はかぷりと〝  〟の首筋を噛んだ。

〝  〟は少しうめき声をあげた。兄は数秒飲んでは〝  〟を落とした。

ごくんと飲んでいないことから、まだ飲んでいないということがわかる。

兄は近付いてきて、強い力で自分の顎を掴み、少し空いた自分の唇に唇を付けられた。

少し生ぬるい液体が自分の口の中に入り込んだ。抵抗しようにも、抵抗出来ない。

唇が離れた時には、生ぬるい液体が喉を通っていた。

吐き出したいのに、吐き出せない。ただ、咳き込みが続くだけ。




『あぁ、飲めたね。なら、もう一回しようか』





咳き込む自分を見ては兄はそう言った。

また地獄が始まった。






















『はい、もう一回』
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さん (9jl4praf)2025/6/3 21:14 (No.37099)削除
↓ 【練習!!!/Anri Roselle】



びくっ、と身体の震えで目が覚める。

素早く天井の四隅に目を走らせて、ここが寮の自室であることを確認してホッとした。心臓がどくどくと喧しく騒いでいる。いつも通り抱き枕にしていた尻尾と皮膚の接触面が、汗でじっとり湿って気持ち悪い。

のろのろと寝返りを打って枕元の端末へ触れると、画面に現在時刻が浮かび上がった。

まだ、朝の4時30分だ。

時々だが、未だにこうして昔と同じ時間に目が覚めてしまうことがある。あれからもうゆうに10年は経っているのに、未だに潜在意識からの反射行動は治らなかった。まるで錆びた機械が時折誤作動を起こすように。

こんな寝覚めの悪さでは、早起きは三文の徳どころか、損ばかりである。重怠い身体に小さく呻き声を上げながら、ひんやりとした尾の先を額に乗せて息を吐く。煩わしく疼きだす左手の拳をぎゅっと握りしめた、その時だった。

突然高らかに鳴り出した端末に度肝を抜かれ、あやうくベッドから落っこちかける。慌てて端末の画面を見ると、そこに表示されているのはよく知る名前___妹からの電話だった。通話ボタンを押すや否や、「 あ、やっぱ起きてた!おはよ〜! 」と、呑気な声が喋り始める。朝4時とは思えない溌剌さだ。

「 お兄ちゃんなら起きてそ〜って思って掛けたけど、ビンゴだねぇ!」
「 …そりゃあ……おめでとさん。なんでお前はもう起きてんだ? 」
「 起きてるって言うか、今から寝るとこ?夜勤シフトだったんだよね。ちょっと早上がりで 」
「 ふーん、ご苦労さん。なんか用事でもあんのかい 」
「 別に!強いていえばこの時間みんな寝てて寂しいから、お兄ちゃんにお休み♡って言ってもらおうと思って 」
「 そこは彼氏に頼むとこだろ 」
「 彼氏まだ寝てるし起こしちゃ可哀想じゃん 」

俺はいいのかよ、と突っ込みながらも気付けば笑ってしまっていた。早朝に不似合いな妹の声を聞いていると、先程までの重苦しさが胸からすっと引いていく。どうやらこの時間に目を覚ましてしまったことは見透かされていたようで、我儘を言うフリをして妹なりに気を使ってくれたのかもしれない。一緒に暮らしていた頃の経験か、それとも兄妹ゆえの勘の良さか。どちらにせよ頭が下がる思いだ__彼女がそうであるように、自分もわざわざ口には出さないけれど。

「 けど、どうせもうこのまま起きとくんでしょ?朝ごはんはちゃんと食べるんだよー 」
「 はいはい。お前はもう寝な、おやすみアデル 」
「 おやすみ!ラブ! 」

何がラブなのかは分からないが、とにかくそんな捨て台詞で電話が切れた。暗くなった画面を見下ろしながら、まるで嵐が通り過ぎたみたいだと思う。だが、その嵐が暗雲も追い払ってくれたようで、おかげで気分がいくらか晴れた。
大きく伸びをしてから身体を起こすと、我ながら単純なものだと自嘲して。

___でもまあ、せっかく可愛い妹のおかげで大損が差し引きゼロになったのだ。ここから三文の徳に巻き返すのだって不可能じゃない。

さしあたってまずは、顔を洗って朝ご飯の支度をしよう。
寝乱れたベッドをきちんと整え、すっきりと冴えた頭で早すぎる朝をやんわりと迎える用意を始める。

たまには早起きするのも、悪くない。
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白雪さん (9jfjtfkl)2025/5/18 23:01 (No.35957)削除
【Fire◎Flower】/ルカス・スペンサー
「きっと、最初から君のことが好きだったから。いまは、それで良かったと思うよ。」
そんなことを、君に届かない空の下で言葉にするんだ。

たくさんの夢を詰め込んで、打ち上げる、あの場所。
それを捜し求めるように、街を出て行った。
心配するような着信が少しだけ煩わしくて、電源を落としてしまったり。
きっと、導火線はもう既に火がついていたのだろう。

もし、もしだよ。いま、世界の終わりが訪れたとしたら。
「全部、全部放ってしまって。2人、永遠に一緒にいられるのにね。」

___僕ね、花火が好きなんだ。
僕が消えてしまわないように、この火花を撒き散らして。
この夢を、打ち上げて、見失わないようにして。
「最初から…君を、好きにならなければ良かったのに。」
なんて、大切な君に嘘までついてしまって。


学園に入学して。見慣れた景色から、見慣れない景色に。帰り道に、ずっと君がいないのは、三年経っても慣れなくて。
「大丈夫」なんて、なれない笑顔を互いに向ける。
華やかな祭りとは違っていて。
繰り返す、互いに釘を刺すような言葉。聞こえないふりまでしちゃって。
涙で、火がついてしまった導火線の。この火が、消えてしまいそうで。

宇宙の始まりが、僕らの出会いだとしたら。
星空は、僕らが過した奇跡のような日々なんだろうね。

___花火は、嫌いじゃないよ。
だから、君が見つけてくれるように。
雷鳴の如く、夢の音を響かせて。
「最初から、君のことを好きにならなければ良かったんだ。」なんて、僕のついた嘘なんて。
ずっと一緒にいる君には、バレてしまっているんだろうな。


近くにいただけで、生まれも育ちもバラバラな僕たち。
姿も形も、それぞれな僕たち。
能力の形も、ちぐはぐな僕たち。
それでも、それでも。
この心を、ひとつに出来たなら____

人生の途中が、線香花火のようなものだとして。
一瞬でも、僕たちを照らし出す、向日葵のように。

「僕は、花火のような君が好きなんだ。」
いつか、夜空を照らし出すほど大きな華になるまで、待っていて。
「だから、僕は最初から君のことを好きでいられたことが、良かったんだ。」
なんて、空に歌うんだ。
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白雪さん (9jfjtfkl)2025/5/18 22:56 (No.35956)削除
【雨とペトラ】/ツェツィーリア=チッラグ
「誰かが言っていた、いつか空は__」
灰になって落ちるって。
妄想の連なるこの世の中で、その日々をただただ喰らうように生きていた。

「境界線を引きましょう。」
そんなことをするのを、共感覚なんてもののせいにして。
街に灯っていったこの灯の海で、自身の居場所を探している。

何処に行くにしたって、どこにでもいけるはずの翼も使わず退屈に染る足は動かない。
「もう少しだけ、先にある景色が…見たい、それだけなのに……な。」

雨が降ってしまったら。
もし、雨が降ってしまったら。
きっと、この頬を濡らしてしまうだろうから。
そうなれば、枯れてしまったその色ですら愛おしく見えるのに。

それを拒んで、目を瞑ってしまったら。
もし、目を瞑ってしまったら。
もっと、遠くに霞んでしまうから。
「煩く響くこの雨音を…笑い飛ばせよ、世界の誰か!」


「誰かが言っていた、いつかため息は__」
夜に化けて出てきて、歌を歌うって。
それって吸血鬼(わたしたち)のこと言ってる?
そんな妄想だらけの世の中で。
この日々を喰らうように生きていろ!

あなたの、優しい嘘を知らないフリしてなぞっていたせいで。
離れていくその声に気が付かなくて。
溶けた、溶けてしまった月が……水面に落ちる月が、足元に映って…私の足で、私の足のせいで。
静かに…………静かに、揺れていた。

夜が降って来たら。
もし、今すぐに夜が降ってしまったら。
きっと、今日の私を責めてしまう。
理由も分からず満たされない、そんな日々の底で。
叶わない夢を見ているだけだから。

だから、目を逸らしても。
もっと、目を逸らしていても。
それは、後悔と『アイ』の隙間しか見れなくて。
ここに、この場所に。取り残されてしまう、その前に。
「その手を伸ばしてよ!」


雨が降ってくるとしたら。
もし、雨が降ってくるとしたら。
____きっと。
もし、雨が降ってしまったら。
今すぐ、雨が降ってしまったら?
…………きっと。
湿っていくアスファルトを背中に映して、俯いた。
独りきり、夜の眷族の癖して陽だまりを望む。
そんな、出来もしない明日に期待を乗せて。

今、雨が降ってきたら。
すぐに、雨が降ってしまったら。
傘をさしていないこの頬は濡れてしまうだろう。
枯れてしまった、その色ですら。
愛しいと思っているのに。

今、目を瞑ったら。
すぐ、目を瞑ってしまったら。
もっと、届かないほど遠くに霞んで消えてしまう。
「煩くなってきた雨の音。…笑い飛ばしてやれよ!」
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さん (9j9hjo1t)2025/5/18 03:29 (No.35911)削除
ルナ・アシュリー




今でも思い出す、あの苦い過去の記憶を____


そう、あれは小学3年生の頃、放課後に友達と一緒に遊んでた時だっけ。

お友達と手を繋いだ時 何かが身体の中を動いてる感覚がしたんだ。最初はなんなのかよくわからなかったけど、少しした頃 いきなりお友達の能力が暴走し始めた。

何が何だかわからなかった。

お友達も何が起こっているのか分からなかったみたいで、泣きながら 「 どうして?やめて、止まって、」と。
能力の暴走は初めて見たからどうしたらいいのかわからなくて、その場でおろおろすることしか出来なかった。その子のことを助けてあげられなかった。
しばらくして泣き声に気付いてくれた大人が助けに来てくれたけど、能力の暴走で私もお友達も怪我をした。

助けてくれた大人から学校に連絡が行き、お母さんが迎えに来た。私の姿を見たお母さんは驚いた顔をしながらも「 大丈夫だった?」と抱きしめてくれた。私はそれに頷くしかなかったの。

後日、両者の親と学校の先生たちも含めて どうして能力が暴走してしまったのか、という話し合いが開かれた。私はお友達と手を繋いだ時の あの違和感について話した。すると、能力に詳しい先生が 「 もしかしたらアシュリーさんの能力は 他人に魔力を渡せるというものなのかもしれません。突然魔力が増えたことで能力が暴走してしまった、そうは考えられませんか?」と言った。

__私のせいだったの?__

申し訳なかった。顔をあげられずに俯いていた。「 ごめんなさい...私のせいで...怖い思いをさせてしまって..... 」と謝るしかなかった。お友達の顔は見れずにいた。どんな顔をしているか想像しただけでも怖かったから。私のせいで、そう思っているかも。

いや、そんなこと思うような子じゃない、分かっているのにそう考えるのを止められない。

その後のことはよく覚えていない。

どうやって話がついたのか、どうやって家に帰ったのか、両親も私に無理に話そうとはしなかった。

だけど次の日の学校にお友達は来なくて、しばらく休んだ後に転校しちゃってた。

お別れの挨拶をすることも出来ず、もう一度謝ることも叶わず。

それから私は人と関わることが怖くなった。またあのお友達の時みたいに無意識に魔力を渡して能力を暴走させてしまったら、そう思うと自然と人を避けるようになった。

そんな私を見てお母さんは魔力の制御の練習をしてくれた。お母さんの能力だったら大丈夫だからって。何度失敗してもお母さんは大丈夫だからねって安心させてくれた。

そうして能力を制御できるようになったのは2年くらい経った頃だった。

能力を制御できるようになっても私は人と関わることが怖かった。どうしても無邪気なあの頃には戻れないのだと、子供ながらにそう思った。

中学生に上がった時、あの時のお友達が戻ってきていた。ただ自分から声は掛けられなかったの。

そしたらお友達の方から声をかけてくれて、あの時はごめんね、なんて謝られちゃった。謝るのは私の方なのに...

親がいきなり転校を決めたみたいで挨拶もできなくて、でもずっと気にしてたんだ、って。もう中学生になるからって戻ってきたみたい。
それから、私は怒ってなんかなかったし ルナのせいだとも思ってないよ、と優しい言葉をかけてくれた。

そこからはそのお友達と仲良くすごした中学時代だった。

今でも人と関わることに消極的だけど昔よりは全然良くなった。

これからはもっと人と関われるように、積極的になれるように頑張らなきゃな〜って思ってるんだ〜。
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過眠さん (9j9kddie)2025/5/16 03:26 (No.35801)削除
『わたしが違和感を知った日』《白羽 ことり》


─とある日の放課後。校庭の隅の木の下に2人の男女の姿があった─


『白羽さん。放課後にあの木の下に来て欲しい』

そんなことを告げられた昼休み。窓から校庭の隅にある大きな木を指さしてわたしにそう告げた男子生徒。彼は同じ学科のクラスメイト。そんなに頻繁に話す仲、という訳でもなかったが、呼び出されたからには応じることにした。

わたしを呼び出した彼はクラスの中で特段目立つ、という訳でもなかったがそれなりに人気のある人物。教室で呼び出しを受けたため、周囲の女の子達はなぜだか分からないけれど盛り上がっていた。盛り上がる理由、それはわたしにはよく分からなかった。

終業のベルが鳴り響き、運命の放課後が訪れた。
指定のその場所に行くとその男子生徒は既にそこにいて。待たせてしまった、なんて思えばトテトテと駆け寄って声をかける。

「ごめんなさい……。お待たせしちゃいましたか…??」

『全然大丈夫だよ。ありがとう』

その男子生徒の表情は少し固くて、緊張している様子が見て取れた。何事だろう。そんなことを思いながら続けられるであろう彼の言葉を待つ。

『白羽さんのことが好きです。俺と付き合ってください』

過去に告げられたことはある"好き"という言葉。進級してからは初めてだった。やはり誰かから好かれる、という事実はとても嬉しかった。

だが付き合う_。その言葉が分からなかった。その内容が分からないのでは無い。彼の彼女になる、という意味合いなのは分かっている。けれど分からなかった。付き合ってほしい、と告げられても嬉しくない理由が。嫌な気持ちになる訳では無い。ただ、好かれる時と違って高鳴る感覚がないのだ。

そしてそれと同時に、心を針で刺されるような感覚を覚えた。"この人じゃない"咄嗟にそう思った。でもなぜそう思ったか、この人じゃないなら誰なのか。それは分からなかった。

「……ごめんなさい…。わたしより…きっといい人いますよ…」

男子生徒を傷つけない断り方が分からなくて、曖昧な断り方になってしまった。
それでも彼はわたしの意思を汲み取ってくれて。

『そっか。ごめんね。』

なんて謝罪と共に此方に背中を向けて歩き出した。チクッと痛むこの胸が、その正体が、今のわたしには分からなかった。その正体が_だと気づく日はきっともう少し先の話である。
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